雨上がりか。
0401
照明がないオールドデリ駅前は暗くて何がなんだかよく分からない。
とにかく動こう。駅前でツーリスト丸出しはやめよう。カモにされる。
「お前はどこに行くんだ?」
リキシャーから頻繁に投げ掛けられるこの言葉はわたしをイラつかせる。
「どこだっていいだろ」
暑さと疲れのせいかもしれない。
地図もガイドブックは持っていない。
駅前で「さぁどっちの方向だろうか?」となれば当然リキシャーを捕まえ、行き先を告げるのが本来だろうが、なぜかそれをよしとしない自分がいる。
「全部こちらのタイミングで告げる。乗りたいときは乗るし。そちらのタイミングでは乗らない。」
結果、このいらない意固地が放浪を強制させる。
寝れれば結局の所どこでもいいんだ。
駅周辺を30分ほど歩いて部屋を探したがこの時間だと厳しい。
ホテルはどこも満室。
強気で高値を放る。
幾度となく断られて、また断られ、外に出たわたしはいらだっていた。
「お前はどこにいくんだ?」
わたしは懲りないこのインドに対して
日本語で「うるせー」とはき捨てる。
「ウルセ?」
「うるせー」
どうしたどうした。揉めていると人が集まってきた。
すると男は
「いや、実はこいつが『ウルセ』っていうんだ。」
と仲間に告げる。
すると仲間は驚く。
「お前本気か」というような剣幕でこう言う。
「お前は『ウルセ』まで行くのか?本気で言っているのか?」
(そういう場所があるのかよ!)
「もう一度考え直せ!オールドデリからウルセだぞ!?」
。。。
「お前は『ウルセ』まで何で行くつもりだ!?」
「うるせ!ばか!」
「by bus?? お前バスで行くのか!?止めておけ!!It' so far!!!」
もういいわ!!
笑ってしまったよ。
「わたしをニューデリーまで連れて行ってくれ笑」