僕はバイクの後ろに乗りながらジーンズのポケットに手を突っ込んでお金を出す準備をしていた。
「ノーマネー」と伝えて乗ってはみたもののおばちゃんの好意に胸が苦しくなったからだ。 おばちゃんは急にバイクを砂利道の端に寄せ、 路上商のような人に何かを届け、 何やらタイ語で話しかけられた後 「え?これかい?違うよ!日本人を駅まで届けに行くんだよ!あー、忙しい忙しい!」と迷惑なのか、 嬉しがっているのか分からないような高い声で叫んでいた。 こっちに戻ってきて、 無言でバイクのエンジンを掛けるとまた走り出した。 拾ってくれてから今までのこの距離をもしあのまま歩いていたらと思うとぞっとする。 僕は右手に用意したコインをポケットにしまうとお札を用意した。 頭の中で英語を作っておく。 通りが賑やかになってくる。 タイ2日目③ 行き交うモトサーや車の多さが 駅が近い事を表している。 中央分離帯には黄色い王室の国旗とタイ王国の国旗が揺れ交互に現れては後ろになる。 歩道には露店が並び今日も汚くて美味しそうな物を売っている。 バイクがロータリーと言えない砂場に停められると おばちゃんは 「$仝#ゑΘ!」と指をさした。 僕はここが駅だ!と解釈してバイクを降り、 右手に用意していたお金を出した。 「センキューアイルギブサムマネー」と伝え終わるか終わらないかぐらいで おばちゃんは「¶ゞБ●#!¶ゞБ●#!」 と言うとささっと行ってしまった。 お金の為ではなく本当に心から助けてくれたんだと思うと胸が締め付けられ ちょっと涙が出そうになった。 多分あのおばちゃんにしてみれば当たり前の行為だったのだろうが 異国で心細い一人旅ではこのような行為をうけると「本当に本当にありがとう」という気持ちになる。 ちょっとした親切心に胸を打たれる。 これからバンコクに戻り今日中にタイのリゾート地「パタヤ」に向かうつもりだ。 タイ2日目③ ※アユタヤ〜バンコクへのバスチケット。 2枚あるのは途中バスからバスに乗り継ぐから。 タイ2日目③ ※バンコク〜アユタヤのバスの中で隣に座っていたタイのおばちゃんにタイ語を教えてもらっていたら仲良くなりおばちゃんが降り際に電話番号を教えてくれた。多分「この先何か困った事あったら掛けてね!」の意味だろう。 タイ2日目③ ※バンコク駅バスターミナルのセブンイレブンでソーセージドックを買ったら「スネ夫」のシールを貰った。何かのキャンペーン中らしい。