『一円玉』
長い話なので時間がある暇な時に読んでください。
今日は返事ナシです。
一円玉。
また懲りずに集めるのか!と言う話です。
森田には兄貴がいます。
大学に4浪して入り。3留している兄貴がいます。
『4浪3留』です。
そんな兄貴が小学校5年生の頃。まだ頭悪いのか、ただの弱い子なのか。まだ世間にバレない頃の話です。
モリケン(けんじ)小学2年生の頃。
兄貴はある頼みごとをしてきました。
兄貴はけんじに千円札を渡して。
『けんじ。一生のお願いがある。この千円札を全部一円玉にしてきてくれ。』何ででしょう。何がしたいのでしょう。兄貴に『何で?』と聞くと『一円玉でジャラジャラしてみたいんだよ!』『一円玉を集めて山にして、その中で埋もれてみたいんだよ。ジャラジャラがしたいんだよ!』
よく大金持ちが一万円札の山のなかで埋もれてるイメージがありますよね?壱万円の風呂。みたいな。
あの一円玉バージョンです。兄貴。当時小学5年生の兄貴の夢。
かなえてあげたい。
こうして1円玉の山を作るべく戦いが始まったのです。
自分は渡された千円札を持ってセブンに行きました。『すみません。この千円札を500円玉にしてくれますか?』『はいどうぞ。』500円玉2枚受け取りました。さっそくまた店員に言いました。『すみません。この500円玉を100円にしてくれますか?』『は、はいどうぞ。』『すみません。この100円玉5枚を10円玉にしてくれますか?』『あ、しょ、しょうしょうお待ちください、、は、はい、どうぞ。』『すみません。この10円玉50枚を全部一円玉にしてくれますか?』『て、て、て、店長っ!』この後。
店長が出てきて、『一円玉少年』を見るや、否や、慌てて
『セブンイレブンジャパンにはそんなに一円玉は無い。』と告げたのです。
当時小学2年生だったけんちゃんはおにいちゃんに『セブンイレブンジャパンは一円玉は一枚も持っていない。』事を伝えると、『けんじ、よーく聞けよ。セブンイレブンジャパンには一円玉はたくさんある。いいか?けんじ。けんじはその場でどんどん両替、りょうがえっていうのはお金を替える事な?りょうがえをしてるからだ。』『リョウガエ?』『そう。両替。まず500円玉にしたら、セブンイレブンジャパンじゃなくて自動販売機に500円を入れてみなよ。で、返却バーを下ろす。したら100円玉5枚になって返ってくるから。したら100円を入れて、返却。したら50円玉2枚になる。それを繰り返せば10円玉50枚になるじゃないか!そしたらセブンイレブンジャパンに行ってリョウガエすればいいじゃないか!そうだよ!その手があるじゃないか!けんじ!』『ワカッタ。』『けんじ。それと悪いんだが、一生のお願いがある。この千円札もやるから、この千円札も全部1円に変えてきてくれ。』
けんちゃんは新たな千円札を持って自動販売機の前に立ちました。
ここでハプニングが起こりました。。。
1000円入れて返却バーを下ろす。500円2枚が返却口に。500円玉を入れる。100円玉5枚が返却口に出てきました。ここまではよかったのです。しかし100円玉を入れると100円玉がそのまま出てくるのです!!10円玉10枚にならないのです!『こ、これじゃぁお兄ちゃんがジャラジャラできない!一円玉でジャラジャラできない!』焦りました。もうすでにお兄ちゃんは『一生のお願い』を2回使っています。どうしようか。
そうです。セブンイレブンジャパンです。『駅前店』です。南店がダメなら『駅前店』です。けんちゃんは店員に言いました
『あの~。すみません。この100円玉を10円玉10枚にしてください、、、』『は、はい。はい。どうぞ。』『すみません。』『何でしょう?』『この10円玉を一円玉100枚にしてください、、、、』『て、て、て、店長っぁ!!』
店長が出てきて『うちには一円玉はそんなに無い。』
またです。聞き飽きました。耳にタコです。けんちゃんはただジャラジャラさせたいだけです。1円玉に変えなきゃならんのです。兄貴の夢なのです。
『どこセブンならありますか?』聞きました。
こうしてなんとか集め、ついに!!一円の山ができたのです!クッキーのカンあるじゃないですか?丸ーいアルミの。あれ一杯に。(後日談としてお兄ちゃんが言っていたのは、コカ・コーラの自販機は100円を入れて返却バーを下げても10円玉10枚には変わらない。自販機でやるなら『大清水』だ。『大清水』でやりなさい。と注意される。)
さあ!一円玉の山が溜まりました!その後いろいろなセブン、スーパー等に行って10円玉1枚ずつコツコツ両替していました。
2ヵ月掛かりました。
『いよいよだな。けんじ。』『・・・。』『ジャラジャラできるな・・・けんじ。』『・・・。』 緊張の一瞬です。夢にまで見たジャラジャラ。いろんなセブンが頭をよぎります。さぁ。始まります!夢のジャラジャラ!
その時です。
ガラガラガラ。桂子です。あの桂子が部屋に入ってきました!
一円玉の山。バカ兄弟。クッキーのアルミ缶。その時の桂子にはこれらが目に入ってきたのです。桂子の怒り狂った顔。怒号です。
『あんたら!何してんの!こんなに1円玉集めて!!』『え、え~と、』兄貴が言葉にならない言葉を出すか出さないかです。『貸しなさいっ!!』桂子が全部の1円の山を持っていってしまいました!『あ、、、、』唖然です。あんなに貯めたのに。
その3日後。兄貴とけんちゃんが『ピーターパンごっこ』をやっていると『けんちゃ~ん!ちょっとおいで~!』桂子の明るい声です。なんだろう。かりんとうかな?甘納豆かな?軽い足取りでスタスタ。一階に降りていくと。『はい!これ!』渡された物を見てびっくりです。
桂子は言いました。『銀行で両替したら5000円札になったわよ?もう変な遊びしちゃだめよ?』
1円玉の山は5000円札になってました。兄貴に何ていいましょう?何て渡せばいいでしょう。いいえ。渡せるわけありません。後ろに兄貴がいました。あんな兄貴の顔を見たのは後にも先にも
『3浪4留』が決まった瞬間までありません。
そんな『一生のお願いを2回使って、もうさすがに兄貴もその夢は諦めたろう。』と思っていたけんじに兄貴が言った一言。
びっくりしました。
『け、けんじ、、。一生のお願いだから、、その5千円札を
全部1円玉にしてきてくれ、、。』
『1円玉』~第一夜~
完