既視感

「この前さ、俺とその人が電車に乗りながら話してたのよ、そしたらその人。

俺ともっと話したかったのか知らないけど、気付いたら俺が本来降りたかった駅を通り過ぎてたのよ。

なんで教えてくれなかったんですか!ってその人に聞いたらその人何て言ったと思う?

『いや、違う駅から行くのかなぁと思って、』だって!

普通言うでしょ!?

降りないんですか?とか!降りる駅知ってたんだし!ちょっとその人おかしいよな!?」

というエピソードを帰りの京浜東北電車の中で話す水上拓郎。

その時やっと異変に気付いたのか、

「あれ?ここどこ?」と車内で焦りだす水上拓郎に、僕が「大森。」と告げると、

「なんで教えてくれなかったん?」

と信じられない!みたいな顔してきたので、

僕が「いや、違う駅に降りるのかなと思って、、、」というと、

「お前もそいつと一緒か!」

その日の深夜。

水上拓郎から電話が掛かってきて「お前、大森から家まで歩いちゃったじゃねーかよ、」

だって。

しるか。