朝5時に着いたスワンナプール国際空港に人は誰もいない。
どこに行くか決めていないがとりあえず空港からバンコク中心の駅に向かう事にした。
「ホワンポール駅にはどうやっていくの?」
僕の第一印象だがタイ人は声が小さい。

例えが悪いかもしれないが猫のような声だ。
(その時の印象は間違っていなかったと後日分かる。タイ人女性は声が小さい。)

「それならまず『マッカサン駅』に行かなければならない。」
直通は早朝のこの時間電車が出ていないので
『マッカサン』にいけという。
空港から電車に乗るまで30分は掛かった。

異国に来ると最初の問題は空港から市街地までどのように行くかだ。

言葉の壁を感じる。
「英語私わからないちょっと待ってて」と暫くの間立たされる。

同じ便で来た他の乗客はもう誰もいない。

タクシーやバスで行ってしまったのだろう。

「あっちに電車がある」
「センキュー」

タイに来たらまず空港から乗ることになるだろう電車は殺風景でおもちゃの電車みたいだ。

座るソファーはソファーと呼べるものではなくプラットホームにあるベンチの材質で固くて痛い。
簡素な物だ。

また最初に気付くがタイの女性(この時はこれが一般的なタイの女性と思っていたが後々やや富裕層な事に気付く)は匂いがする。
あの柔軟剤の匂いかシャンプーのそれか、
香水というよりそういう類いだ。
また着ている服がカラフル。
日本でピンクは奇抜だがタイでは平気でそれやイエローやらも装う。

合ってる合ってないなんて関係ない。

僕は電車の中でそのような風景を目の当たりにした。
『マッカサン』まで行くと乗り換えてホワンポール駅まで行くのだがホームがない。

「新幹線が走る下」みたいな所に出た。

これは何かの間違えだともう一度改札に聞きに行く

「下に降りて右だ」
何回言わせるんだみたいな顔される。

でもどこにも線路は走っていない。

あの子の言い方がおかしいんだ。
もう一度誰かに聞いてみよう。
「出て右」

一回外に出て200mぐらい歩いて乗り換えるらしい。

これ「乗り換え」っていうか、
最寄りの駅まで歩いているじゃねーか。

これはタイの電車の「切符」
タイ1日目①

内臓されたICチップが行き先までの駅を記録している。

わたしはなんとかしてバンコクのハブ駅、
ホワンポール駅に着いた。
タイ1日目①