三夜連続でお送りしております。

二夜目の今夜は『国語』というお話です。

桂子はよく『国語を勉強しなさい』といいました。

理由は、全ての学力は国語の『読解能力』次第だからだそうです。

兄貴は金にルーズで勉強をしません。

以下。よく森田家で日常的にあった丈寛と桂子の言い争い。

どうにか丈寛に国語をやらせたい桂子のやりとりです。

桂子『国語をやったら壱万円あげる』

丈寛『くれなきゃやらない』

『やるのね?じゃぁあげる』

『くれよ』

『ちゃんと国語やるんだよ?』

『あぁ』

『ハイ。壱万円。ちゃんとやるんだよ?』

『分かったようるせーな』

2、3日後。

『お帰り。夜遅くまでどこいってたの?図書館?』

『そうだよ。』

『図書館で国語やってたの?』

『そうだよ。』

2、3日後

『丈寛!』

『あ?』

『あんた国語全然やってないじゃないの!』

『やったよ!』

『ノートどれ?何にも書いてないじゃないの!』

『図書館に行ってないじゃないの!』

『行ったよ』

『今日は!?』

『今日も行ったよ』

『今日は図書館休みじゃないの!』

『・・・・。』

『男は国語ができないとダメだって言ってんのよ』

『うるせーな。』

『壱万円返してくれよ!』『使ったよ。』

『返せよ』

『使ったよ』

『・・・・。』

『・・・・。』

『あとアンタ。vodafone。』

『・・・。』

『月に6万円使ったんでしょ!』

『勝手に見んなよ』

『丸井のカードローンの請求も来てるし』

『・・・。』

『うすらバカ!』

『勝手に見んなよ』

『出てってくれよ!もういらないから!出てってくれよ!』

『・・・・。』

『けんじだけで十分だから!けんちゃんの方が優秀だから、あんたいらないよ!』

『・・・。』

『出てってくれよ!今すぐ!』

『あー、出てってやるよ!』

そう言ってそのまま手ぶらで家を飛び出していく兄貴。

(静寂)

あれ?終わったかな?とけんじが思っていると。

ガラガラガラ。

ノックもしないでけんじの部屋に突然はいってくる桂子。

一部始終聞いていたでしょ?みたいな顔つきで桂子が

『けんちゃん・・。お兄ちゃん・・・。国語やらないでほっつき歩いてるのよ。』

『・・・。』

『けんちゃんお兄ちゃんの事ぶっ叩いてくれないか?ぶっ叩いてやりたいよ。』『・・・。』

『vodafoneで6万円も使ってたのよ、お母さんやんなっちゃった・・・。あのうすらバカ・・・。けんちゃん。大学出たら就職するんでしょ?馬鹿な集団とドリフみたいな事やっちゃだめよ?』

『・・・・。』

2.3分後。

『・・・・。』

『・・・・。』

『あのさ』

『ん?』

『出てってくんない?』

『・・・。』

『あとさ、部屋入るときノックしてくんない?』

『たけちゃん遅いわね・・。どこいっちゃったんだろう、』

『・・・・。』

『お母さん探してくるからお風呂沸いたら止めといて?』

15分後。

(外から桂子と丈寛の声が聞こえる。)

『国語やる?』

『あぁ。』

『教科書買ってあげるから』

『あぁ。』

数日後。

ポストから手紙を取ってきた桂子が叫びます。

(けんじは部屋)

『丈寛!ちょっと来なさい!』

『なんだよ。』

『あんた、大学!単位足りてないじゃないの!どうすんのよ!』

『国語をやりなさい!っていってんじゃないよ!』

『・・・。』

『あれからやったの?』

『あぁ』

『やってないじゃないの!』

『・・・。』

『出てってくれよ!もうウチの子じゃないから!出てってくれよ!アコムから手紙きてるし!出てってくれよ!』

バタン!(家を飛び出す兄貴)

(静寂)

ガラガラガラ。

『けんちゃん・・・。』

『ノックしろよ』

『けんちゃん』

『聞いてんのか』

『たけちゃんね?留年・・・。』

『・・・・。』

『また大学生。3浪4溜。』『・・・・。』

『けんちゃん卒業したら就職するんでしょ?吉本とかいっちゃだめよ?』

『あぁ。』

『うん、そう。いい子ね・・・。けんちゃんはいい子・・。』

2、3日後。

ポストから戻ってきた桂子。

『けんじー!!あんた!!吉本行ってんの?』

『いってねーよ』

『何これ!?(NSC合格通知)』

『・・・。』

『けんじ。いい?あそこはヤクザなんだから。ヤクザの集団なんだから。辞めなさい!就職は?しないの?え?どうなの?』

『しない。』

『出てってくれよ!働かないんなら出てってくれよ!もうお前なんていらないから!馬鹿な集団とコントやるなら、今すぐ出てってくれよ!』

『お兄ちゃんの方がよっぽどかわいい!』

『国語』~第二夜~   完