カンボジア1日目①

カンボジア1日目① ポイペト。 タイ側の国境の町アランヤプラテートから カンボジア側の国境の町ポイペトへ。 カンボジアに入ると一気に活気がなくなるのを実感する。 舗装もされていないので砂ぼこりが舞う。 暑い。 賑わっているのは国境付近だけで1キロも歩くと両サイドは果てしない草原が広がる。 ポイペトから目指すのはシュリムアップ。 シュリムアップはカンボジア第二の都市とされている所で 世界遺産アンコールワットがある所だ。 ここら辺を歩いていると 「シュリムアップ?オーケーオーケー!乗りな!」おじさんがいる。 国境越えで疲れた外国人は目の前にある豪華な長距離バスに乗り込む。 長距離バスは何台も小さな店先に番長停めされていて 「シュリムアップに行くにはバスに乗るのが常識」と暗に知らしめているようだ。 イグミネーションで見かけた外国人は散り散りにどこかのツアー会社にバスの手配をお願いして 気付くと自分1人だけが歩いてシュリムアップまで行こうとしていた。 歩き過ぎてもう付近にはツアー会社もバスも駐車されていない。 つまりここまで歩く奴はカンボジア人にしてみれば 「だからシュリムアップは遠いんだって!勝手にしろ!知らないからな!」と突き放したという事だろう。 目の前にはただ一本の真っ直ぐな道があるだけだ。 シュリムアップまでは車で5時間は掛かるという情報を得たのは歩き初めてだいぶたった頃で その時にはもう外国人相手に交通商売するような奴はいない。 後方も今さら戻れない距離。 暫く目の前の「不安」と後方の「敗北」の狭間で 途方にくれて 「どうしよっかなー。」 ともらしていた。 「どうしたんだ?」 最初モトサーだと思ったが違うらしい。 カンボジアで最初のヒッチハイクは言葉も通じないおじさんで 「乗りな乗りな」でお金も要求しなかった。 カンボジア1日目① 10分ぐらい走ってくれ、 握手をして別れる。 「よかった・・。」 歩くと体力を使う。 「どんどんヒッチハイクしてやろ。」 という考えになっていた。 降ろされた所でまた親指を立てて後ろから走ってくる車を停める。 シュリムアップまで行きたい。 あ・・。あ〜。 「途中まで」って英語で何て言うんだ? すぐ単語帳で調べてそのまま使う。 「アイウォントゥゴーシュリムアップ、プリーズテイクミーハーフウェイ、ノーマネーオーケー?」 車をヒッチハイクしたのは初めてだ。 カンボジア1日目① お父さんらしき人と娘3人と外国人を乗せた車はシュリムアップを目指し国境からの1本しかない道をどこにも曲がらない。 真っ直ぐ行く。 車に乗り込んでも 何も質問してこないのが却ってよかった。 この道を歩こうとしていたのか・・。 ラジオからカンボジア語が流れてくる。 車内でもそのやり取りがある。 タイ語は耳に慣れていたがカンボジア語はまたなんともな感じだ。 舌をトゥリントゥリン使う?言葉が回るような?印象を受けた。 1時間ぐらい寝ていた。 上下する車に 「ちょっとちょっとちょっと!」となりながら目覚めた。 わざと溝にはまって走ってるでしょ!と思ったが 隣の少女は「何か?」と実に涼しい顔をしていたのでこちらも「別に?平坦な道路ですわね。」で抑えた。 看板にはシュリムアップの文字が出てきたので 「着いた?」と聞いたら ここは違うらしい。 何やら現地の人とお父さんが話をつけてくれている。 「ここからは彼が連れていってくれるよ!」と紹介されて「センキュー」 握手をして別れると 今度は違う男がバイクに乗せてくれた。 カンボジア1日目① 畦道を5分。 着いた先は「シソボン」という小さな町だった。 カンボジア1日目① シソボンはちょっと怖かった。