クラクションの音で目覚める。
小窓から射す光が部屋に朝を伝えている。

昨夜ニューデリーに着いたわたしは行く当てもなく1日目の宿に帰ってきた。
宿泊料金を知っているし場所も知っている。フロントの人も知っている。
この「既に知っている」ということは安心を与えてくれる。

深夜宿に何とか辿り着いたわたしは
改まってはじめてのお客を装い主に質問した。
「部屋空いていますか?」
主は覚えていたらしく「お帰り!笑」と出迎えてくれた。
何よりも嬉しい言葉だ。
「同じ料金で大丈夫か?」
「笑。問題ない。」
「同じ部屋で大丈夫か?」
「笑。もちろん。」
「笑。ありがとう」

通された部屋は同じ部屋ではなかったところが「インド」だし、
前回バスタオルが用意されていなかったので、
予め「バスタオル一枚部屋に持ってきてくれ」とスタッフに頼むと、
なかなか持ってこない。
またクリケットでも見てるのかと催促すると、
少年が部屋までやってきて、
「ほらよ!」と「うるせー日本人だな」みたいにバスタオルを投げつける。
あのガキ、今度見かけたらカレーに入れて朝食ってやる。

起き抜けに足元がザラついていることに気付く。
「なんだこれは」

0406

ベットの上にこれらが散乱している。
パラパラと起き上がるわたしの体の上からも零れ落ちる。
わたしは上を見上げた。
部屋の天井の塗装が一晩掛けて降り注がれたようだ。
昨日の夜落ちていなかったのに、
就寝中降ってきたってこと?
パキパキしたそれらはありがたいぐらい細々と荷物に付着している。

0407

この不運でもない、嫌がらせでもない、泣き寝入りするしかない絶妙なインドを
受け入れるときわたしはいつも「安宿だし」の即効薬を飲む。
するとすぐに気持ちが落ち着く。

チェックアウトの12時まで散策しようと思う。
荷物をまとめながら思いが廻る。
日本から持ってきたこの三脚が重くて邪魔でしょうがない。
カメラは何かで固定すればいいし、捨ててしまいたいぐらいだ。
伸縮性がありコンパクトにまとまるのだがリュックの中に入れると
なんとかギリギリ、チャックが閉まるぐらいで、他のものと入れようとすると
カンガルーの懐みたいにリュックから顔を出す。

極力荷物は少なめに用意した。
PCも少し重い。
取った写真はPCのハードデスクに保存しなくてはいけない。
SDカードは64GBの日本製なら1万超えるものをなんだかよくわからないメーカーのをネットで3000円で購入したが、こちらに来てすぐ壊れた。
代替用のSDカードも持ってきておいてよかった。
リスク管理が物を言うなと感じた。
大事なことにも優先順位を決めておかないといけない。
命。帰国。無事故。時間。思い出。お金。

よし。
わたしは荷物をまとめて下に降りてゆく。
「good morning」
「good morning」

フロントに聞いてみる。
「Hai,I have some question, I want to see usually life of Indian,Could you please recomend something place? Where should I go?」

ここニューデリーは地方から来る出稼ぎ労働者でなかなかインド人の生活は見られないらしい。
「Have you already gone Jaipur?」
ジャイプル。。

フロントを後にしてわたしは軽い気持ちで散策する。

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ただインドはそうはさせてくれない。
ひと度、表に出れば、好奇の目で外国人を見るのだろう。
その証拠に歩いてものの5分で「Hai!Frends!!」
と呼び止められ握手を求められた。

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そしてこの後わたしはこの「グルザー」という男に巻き込まれることになる。

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