タクシーは予定通りバラナシ空港に着いた。

わたしはこの『予定通り』を信じていなかったが運転手は「ほら、着いたろ?」と自慢げな顔をしてみせた。

わたしはスムーズに運ばせてくれたお礼にチップをあげようとしたが次にこのタクシーに乗る日本人がチップをねだられる可能性がある為止めといた。

当たり前だが空港にはインド人ばかりで日本人がいない。
ヨーロッパ辺りの外国人グループは2組いた。

いつも思うのだが知らない場所にポンと下ろされてもどこに行っていいか分からない。

必ず場所を尋ねる事になる。

チェックイン手続きをどこでやればいいのか。

軍みたいな奴にチケットを見てもらう。

インドの国内線

インドの国内線


「あっちだ」

バラナシ空港は周りが何もない所に低い屋根の仮設住宅みたいな、簡易的な建物が並ぶ空港で中に入ると暗い。
「多分ここだろう。」と思われるチェックインカウンターとおぼしき所で並ぶ。

金髪の外国人のグループの後ろにとりあえず並んで様子を見る。

何の列か分からないで並んでる奴程間抜けなものはない。

前の人がそうしていたようにパスポートとEチケットを渡す。

わたしはヒンドゥー語で何か言われてる。

分からない。

係員は諦めたのか「どっかいけ!」とばかりに追い払う。

わたしは必ず荷物は機内に持っていく。
以前誰かから聞いた、
エアインディアで荷物を預けたら違う所に運ばれてその旅行は荷物なし。
「帰国日」に手元に返って来たという。

それが日常的ではないにしろわたしはリュックは常に本日生まれた赤ちゃんかと思われるぐらい背中で可愛がらなくてはならない。

チェックインが済み、
荷物チェックまでの時間、わたしはベンチを見つけると構内で買ったコーラを体に入れた。

わたしの隣にインド人が座った。

男はリュックから銀色のステンレス器を2、3取り出してカレーと思われる物に肌色の何かをつけて食べ始めてた。
そういえば僕は今朝から何も食べていない。

バラナシ空港

バラナシ空港


簡単なパスポートチェックの為の長い行列に並んでいる間、わたしはガイドブックに目を通す。
今日12時10分にこの飛行機は飛び15時にガンジー国際空港ターミナル1に着く。
ニューデリーに向かい、
わたしは列車までの2時間をそこで過ごさなくてはいけない。
コンノートプレイスに有名な紅茶のお店がある。
「マンゴーティーを買えるお店にいこうかな、」

2列で手続きを待つインド人達は熱心に「インド」と書かれたガイドブックを見る僕に変な違和感を覚えそのレアな画にさぞ居心地が悪かっただろう。

わたしがマンゴーティーを買いたい一心でインド人の穏やかな気持ちを不穏にした罪は
引き続きマンゴーティーを買うための努力で返さなくてはならない。

もしわたしの好きなラーメン屋の行列の中にリュックを背負った金髪の外国人が1人で並び、
熱心に「JAPAN」と書かれたガイドブックを読んでいたら
わたしはその「日常の中の非日常」に吹き出し、
そのシュールさにカメラを向けるだろう。

暫くして身体検査が始まる。
変な『囲い』の下で「金属バンザイ」をしてチェックが終わるとエックス線を通った「俺の」を急いで取る。

外したベルトを締めながらこの一瞬でも何も取られていないか確かめる。

チェックはそのくらいがちょうどいい。

搭乗時間までの間近くの集合ベンチで過ごす。

サリーを着た女性の集団が来るとインド人男性は席を譲る。
そのサリーを着た女性中でもサリーを着た高齢者にサリーの女性は席を譲る。

こんなにベンチが満員で立っている人がいる中
スキンヘッドでオレンジ色の袈裟を着ている男は1人で4人分の席を使っていた。

わたしはひょんな所で「ディスイズインド」を見た。

男の両手は広げて背もたれに、
片足はベンチの上に折り曲げて収め、
「この国は我の物ぞ」といったご様子だ。

そこに1人の男性が話し掛けた。
その話し掛けた男性はかなり金持ちなのが見て分かる。
ニューデリーやバラナシにはいない、
『ニューインディアン』だ。
男は「この国は我が物ぞ」に合掌しすると「隣に座っていいか」許可を求めた。
「この国は我の物ぞ」軽く頷き、その男はまた合掌して懐に座る。

見る限り、
男はなにやら「この国は我の物ぞ」に悩み事を相談しているようだった。

サリーの女性集団はたまに興奮する私服の子供を一喝する以外は一家の主である「我の物ぞ」と男の様子を静かに見守っていた。

何を言ってるか分からないがアナウンスの後、搭乗の為の列は作られた。

成田だとチェックインロビーと荷物チェック、出国チェックと搭乗口はそれぞれある程度距離を歩くが、
ここバラナシ空港は全てが歩いて何秒の範囲内。

搭乗券の半券をもぎられて皆が進む方向に飛行機はあった。

バラナシ空港

バラナシ空港

皆飛行場から直接搭乗する。

外から搭乗する

外から搭乗する


ここにわたしはインドの『国内線』を感じた。

離陸して暫くすると機内食は配られた。

キングフィッシャーの機内食

キングフィッシャーの機内食 


いつもカレー。
インドにいる限り逃げても逃げてもカレーはわたしを追いかけてくる。

「お前はベジタリアンか?それともノンベジタリアンか?」だけを尋ねられる。
もしも僕がその意に反して「どっちでもない」と抵抗したら
「お前は正直者だ。このベジタリアンの方をあげよう。」と言われるだろう。

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