11月30日15:12

Tシャツ、ロールアップジーンズ姿にパタヤで買った安サンダル。
頭皮は痒くて肌の色はベナン人の茶色より茶色い。

わたしは彼女達が「旅慣れてそう」と勘違いするには十分過ぎるぐらい汚かった。

バスから降りて
何の躊躇もなく、
道を知っているかのようにサクサク歩くわたしを迷いの無い人=知っていると勘違いして声掛けてくれたのかもしれない。

全くの誤解で、

わたしの心中は「こうなる事」を恐れてその場をすぐ離れようとしだけ。

サクサク歩くのはどこだか分からないんだから道とか方向は関係なく信頼できる人を早く探す為だった。

ホーチミンは活気に溢れている印象だ。

店にシャッターが無いのは防犯意識がないというよりは蒸し暑いから?

原付バイク同士を路肩に停めて
石段でたむろして
談笑する男性達がたまに通る外国人に気付くと「ハーイ」と挨拶する。

バイクに乗りたければ「ハーイ」と返せばいいし
乗りたくなければ口角をあげればいい。

歩道には低いテーブルとそれより低いお風呂の椅子みたいな椅子が大きな顔して置かれ
太い寸胴を細いおばあちゃんが番をする。

シャツを着た人達が簡単なお食事をする所だ。

何を食べているんだろう。
屋台というのはそれほど多くない。
声を掛けてくる人も少ない。

路上商のバケツに座っているオバサンに「ファングーラオ通りはどこか?」と聞く。
カタカナ発音に聞き取れないのか、
よく小さい子が履いている踏み出す度に「プープー」鳴るような音の「あー?」をもらう。

「ちょっと待ってね、ここ、ここ!」と
懇切丁寧に地図を渡して指差しても
取り上げたはいいけど遠目のご様子で、
その道がどこに表記されているかというよりは

おばあちゃん自身
地図上の何処のバケツの上に座っているのか確定できないでいるみたいだ。

スタートとゴールの2つの点が見つけ出せないんだから線は一向に引かれない。

わたし達もここが地球上の何処に位置するのか分からない。

おばあちゃんも地球上の何処のバケツの上に座っているのか分からない。

途方に暮れているわたし達に人が人を呼び、大所帯になるとようやく何かがわかったらしい。

「歩いては無理」

折り畳みの地図を渡したのだがそこには表記されていない場所にいるらしく
そりゃどこにいるか分からないわな!
ごめんごめん!だ。

人が人を繋いだ「ベナン検索」は諦めの色が濃かったがようやく遅い下り速度で「歩いては無理」を与えてくれた。

長距離バスで座らされていた経緯からわたしはちょっと歩いて、
安宿が連なっているという「デタム通り」「ファングーラオ通り」まで行こうとしたが
彼女らはタクシーを好んだ。

まぁ普通はタクシーだろう。

普通にタクシーにしよう。

わたしは停めるタクシーが「マイリンタクシー」、「ビナタクシー」か「ビナサンタクシー」か確認して「マイリンタクシー」を停めるとメーターが作動するか運転手に確認した。

上記の3つは安心なタクシーらしい。

ベトナムでも外国人を狙ったボッタクリタクシーが横行しているらしく入国するまでにネットで色々調べておいた。

今の時代、
国から国へ旅をするバックパッカーにとってPCは必需品で
観光情報やホテル予約等を検索して計画しながら移動するみたいだ。

タイで2週間終えるつもりで来た旅初心者のわたしは
人づての噂でカンボジアに渡り、流浪な旅を余儀なくされたが
カンボジアのゲストハウスでネットを駆使する旅巧者達に「なるほど!そりゃそうだよな!」と手を打った。

チェックアウトしたにも関わらずネットの中のベトナム情報を漁って、
ちょっと怒られるんじゃないかと思うぐらい居座った。

それによるベトナム情報は、

100円は23000ドン
1ドル=19500ドン
1円=250ドン
(2010年11月)

タクシーの初乗りはだいたい
12000〜15000ドン
およそ60円

セオムと呼ばれるバイクタクシーはフアングラー界隈〜ドンコイ通りまでで
1ドル(15000ドン。)
ぐらいが相場らしい。

またベトナムでは30000ドンを持って「1時間乗せて!」という交渉も成り立つという。

この情報を持っていたわたしは
タクシーの運転手が遠回りしないように地図を確認しながら
「何度もホーチミンに来たことがあるんだ。いや〜、やっぱりいい所だね〜。」と釘を刺しておいた。

日本人女性2人組は大学生で世界一周している最中らしい。

一周している最中とは思えない程綺麗な身なりをしている。

ヨーロッパの国々をトルコ経由でインド等を旅してカンボジアに入って来たという。

車中わたし達はインドの話をしながら大いに笑い、心を通わせ、
やはり一悶着あったタクシーを降りる。

3人で15000ドンだと思っていた料金は1人15000ドンらしい。

どっちが悪いのか分からない。
わたし一人だったら
明日の朝まで話し合いするところだ。
なぜならこの話し合いが面白い所だからだ。

タクシー代を持ち合わせていなかった私は彼女らにベトナムドンを借りる。

彼女達は道々ATMで換金すると難なくベトナムドンを手に入れスマートに旅を進める。

無計画のわたしはどれが銀行だか分からない建物に首を折り曲げ見つけなくてはいけない。

彼女らはホテル一軒一軒回っては
「2パーソン」と言えばいいものを「3パーソン」と要求し、
2部屋より1部屋に泊まる方が安いとかお財布を気遣ってくれた。

わたしは自分が彼女達と一緒に行動するうちは彼女らは「3パーソン」としか言えないのかもしれないと思い、
わたしはわたしで「ちょっと探してて」と別行動すると彼女達の為に「2パーソン」のワンルームを探す。

やがて合流し内見すると
内装が女の子向けでファンがある所が気に入ったらしい彼女達の部屋が決まる。

当初同じホテルで泊まろうと気遣って提案してくれたが色々気を遣わせてしまうので違う所を見つけることにする。

一旦お別れ。

また一人になるとゆるんだ帯を締め直すような気分になる。
何かと闘っているみたいだ。
ファングーラオ通りやデタム通りら辺のホテルの相場は2人で10ドルらしかったが私は「いや必ずもっとあるはず」と妄信的になり他の場所を探し歩いた。

この際ドミトリーでもいいのだが。

大通りに面しているというよりは
ビルとビルの間の細い道、フロントというには余りにも緊張感が無さすぎる
民家、『ホテル』がある。

フロントというより『玄関』で、
サイケな服を着て子守をするおばあちゃんが「空き?あるよ?1人?」等とフロントマンをする。

そんな中、
わたしはデタム通りとファングーラオ通りがぶつかる角に位置する『264』というゲストハウスに泊まる事に決めた。

1泊5ドル。

何よりこの重いリュックをフロントに預けてここら辺を見て回れる事に一先ず安堵する。

その日泊まれる場所が決まるというのは本当に安心するものだ。

シャワーも浴びれるから歩きまくれる!
走ったっていい!
なぜならシャワーがあるからだ!

全てに力強くなれる。

荷物をレジスターの裏に置かせてもらい
もし誰かが盗ったとしてももめない物だけを残しゲストハウスを出る。

わたしはこれから銀行に行き宿泊費を払い、
タクシー代を返しに彼女等のホテルに行ったら
「ドンコイ通り」にあると言われている「kito(キト)」という陶器や小物などが揃っているお土産屋さんに向かわないといけない。

なぜならそこには日本人御用達の「ドンコイ通りを歩こうMAP」という有名なマップがあるらしかったからだ。

今日は美味しい物を食べよう。

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